書評8 「テンパらない」技術
「テンパらない」技術 西多昌規著
https://www.amazon.co.jp/dp/4569678335/ref=cm_sw_r_apan_glt_i_3SX8P5K1ASDKKWYQSFTM
精神科医で医学博士の著者がテンパることへの
予防、対策、 対処法をまとめた1冊
本書ではテンパるとは…
・目一杯の状態になる
・いっぱいいっぱいになる
・あわてて動揺する
・焦る
・のぼせる
と、紹介されている。
自分も仕事に対して「テンパって」しまうことが多く、 そのせいでミスや見落としが多く発生していた。
通常であれば問題なく出来ていたことも、「テンパってしまう」と出来なくなってしまうことに悩んでおり、本書を手に取るキッカケとなった。
テンパることのメカニズムや、 テンパることを引き起こす生活環境や社会構造の説明から入り、何故テンパってしまうのか? テンパってしまった時に頭の中では何が起きているのかの説明やヒントが各所にちりばめられている。
確かに重要なポイントには太字やイラストでの説明があるが、文をキチンと読み通さないと分かりにくい箇所もところどころあって、「すぐに必要な所だけ知りたいっ!」 という人には少し手間になってしまうかもしれない。
また、 テンパらない考え方の対策には参考になる内容も多数あったが、
”予期せぬお客様からのクレームがあり、 テンパってしまいそうになったが、○○○の考え方を実践し、まず▲▲▲を優先して行動することで、テンパることなく冷静に処理することが出来た”
などの具体的な実践例の紹介がない。
本書には良いことは書いてあるが、「それが出来たら苦労しないよ」という思いでならない。
しかし、本書を通して、 今までボンヤリしていた自分がテンパりやすいのはどういう場面か?というのがはっきりと分かるようになってきた。
そして、原因が分かれば次に実行となるが、テンパりそう・ テンパっている時にこの本書で紹介されていることがすぐに実行で きるとは限らないので、トライ&エラーで自分にとって身につけていきたい。
また、テンパりやすいことが環境によるものであれば、生活習慣や人付き合いや転職を十分考える直さざるを得ないキッカケにもなった。
自分に置き換えながら本書を読み進めていくのが、おススメの読み方です。
僕も含めてテンパりに悩む皆さん、 この本で少しでもテンパりにくい毎日を過ごしてみませんか?
発達ワークスぎふの今後の開催は当面Zoom開催になります。
お久しぶりの更新となります。
当事者会の今後の予定についてです。
【当面Zoomでのオンライン当事者会で開催します】
(10月中には当事者会を開催する予定です)
毎回当事者会を開催の度に多くの参加者の方が各地より来てくださって本当にありがとうございます。
またJR岐阜駅直結のハートフルスクエアGの会議室にて当事者会を開催をしたいのですが、あいにくコロナ禍で対面での開催が難しい状況です。
万全の対策でリアル開催をしている当事者会もあるのも事実です。しかしリアルな話、私一人で運営をしているもので、何かあった時に全責任を背負う必要になります。それにおける準備や対策はとてもカバーできる自信がありません。
加えて、職場のコロナ対策における行動の自粛も厳しさや、体調のすぐれない家族の存在もあります。
びくびく不安な気持ちで当事者会をやるのもどうかと思い、当面のオンライン開催にします。
ご不便やご不満はあるかと思いますが、これからも発達ワークスぎふをよろしくお願いいたします。
書評7 「こだわりさん」が強みを活かして働けるようになる本
「こだわりさん」が強みを活かして働けるようになる本
https://www.amazon.co.jp/dp/4594087795/ref=cm_sw_r_u_apa_glt_i_2AYG01QWH1Z5PEGPHVDZ
この本は言うなれば、相手の仕草や立ち振舞い、周りの状況から相手投手の配球を読んで、数々の大記録を成し遂げたノムさんこと野村克也氏と重ねて見えた気がする。
暗黙の了解や空気を読む事が難しい「こだわりさん」が相手の表情や仕草から選ぶべき行動パターンを編み出したり、雑談の必要性を説いていたりと、今まで分かった様で分かって無かった社会や会社の見えないルールが丁寧に説明しており、とても働く上でライフハックに溢れたそんな一冊。
また、他人の良いところはTTP(徹底的にパクる)戦略や、日記の大切さや空気を読めないからこその積極的なチャレンジ等を紹介していて、発達障害のこだわり部分を他人には無い強みにした捉え方がこれからを生きる働く(働きたい)発達障害当事者には希望となる内容じゃないかなと思う。
書評6 発達障害の自分の育て方
発達障害の自分の育て方
https://www.amazon.co.jp/dp/B01BU0GC0U/ref=cm_sw_r_u_apa_glc_EQC7A5YJ33RYGCQDA6DZ
2015年出版でちと古い部類となった当事者本。
著者の岩本さんはうつ病で前職を休職。その後、発達障害(ADHD・アスペルガー)と判明し、自分の適正にハマったデータ分析に出会う事で能力が開花。転職先の外資系企業において、データ分析における実績で表彰されることもあるほどの活躍ぶりに。現在は明星大学の発達支援研究センターの研究員として活躍されている。
まだこの頃に(2015年)には珍しい社会で活躍する当事者の本。育児や医療系とは違う当事者の生の意見に嬉しくも感じ、この時から障害者雇用に熱心かつフラットに障害者雇用を考える著者の勤務先の外資系企業の先をいくダイバーシティに目を見張るものがあった。
ただ、著者の経歴や経験談、実用的なノウハウ以外にも自己啓発的な部分や医療や脳の構造についての解説が入り交じっており、少し読みづらい箇所も所々…(汗)
家族を養いながらの障害者雇用の難しさ(給与・待遇面)や天職の見つけ方(夢中になって取り組める仕事・自分の情熱に基づく事等)天職探し分かりやすい説明で、内容は少し辛辣というかドライに考えていてとても参考になります。
あと、勉強会や読書会の参加をめちゃめちゃ勧めてました。「適した仕事に就くチャンスは、動けば動くほど訪れる」
今の自分にもズシッと響く一文でした。
書評5 療育なんかいらない!: 発達障害キッズの子育ては、周りがあわせたほうがうまくいく
療育なんかいらない!: 発達障害キッズの子育ては、周りがあわせたほうがうまくいく
https://www.amazon.co.jp/dp/4093108536/ref=cm_sw_r_u_apa_glt_i_Y0EKF1FAQTNZ171PXD1X
タイトルがぶっちゃけて、清々しささえも感じてしまう(笑)
子供の発達障害において、必ず出てくる「療育」神奈川県に拠点を置く放課後デイサービス「アイム」そこの代表を務めるはグラフィックデザイナーであり、Yahoo・東京ガールズコレクションや有名ブランドを手掛けた経験もある佐藤典雅氏。息子のがっちゃんが自閉症であり、がっちゃんのアメリカでの療育を経て帰国後に受け皿としてアイムを設立するが、聖域と化していた療育に真剣に向き合い、子供達とは楽しみながら放課後デイサービスを運営していく中で、たどり着いたとも言えるのがこの本のタイトル。
本書の中では従来の福祉のあり方や障害への考えて方にもズバズバ切り込んでいて、障害界隈でたまに聞く「自閉症(障害)は治る」という言葉についても「自閉症を治すということは、その子の世界の認識の仕方まで変えるということである」(本書より)
「そうだ!!」と、今まで自分の中でもモヤモヤしていた、この言葉についてここまで返した説明は無い!と膝を打つばかりでした。
それ以外にも民間からの福祉への参入から見えてくる日本の福祉の異質さやセンスのなさ(デザイン力や華やかさ)についても取り上げていて、ただの教育・育児本だけで留めておくにはメチャクチャもったいないと感じた1冊です。
本書は2016年10月初版
その後について
https://news.yahoo.co.jp/articles/99f75e80719548affeee5e0657bcc41ec23c72bc?page=1
書評4 発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術
発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術
借金玉さんによって書かれた僕にとっては発達障害についての名著だと思う一冊。
発達障害における仕事に関しての本は、ビジネスマナー書に近い内容が多く、時には応用が効きにくかったり、上司や会社の大きな歩みよりがあって初めて効果をもつ内容がある中で、本書は「実践」を見据えた仕事術本なのが画期的。
会社社会・上司との関係というのは、時にややこしく偏屈さもあって、空気を読む事や暗黙の了解が分かりにくく、発達障害当事者にとって壁にぶつかりやすかった環境だった。この本ではそれを部族になぞらえての説明が分かりやすく、柔らかい文章だったのですんなり頭に入る内容でもあった。
他にも生活環境(部屋の整理や生活リズム)や、鬱になってしまった時の向き合い方まであり、発達障害や鬱に悩む人以外にも、役に立つライフハックが盛りだくさんで何度でも読み返したくなる一冊かな。
書評3 15歳のコーヒー屋さん 発達障害のぼくができることから ぼくにしかできないことへ
15歳のコーヒー屋さん 発達障害のぼくができることから ぼくにしかできないことへ
https://www.amazon.co.jp/dp/4040696530/ref=cm_sw_r_u_apa_glt_i_GGZXZTHVYXFABG71Z8YZ
3年程前に買って読んだけど、内容を忘れたので読み直し。
読み直す前は発達障害(アスペルガー障害)により中学生活に適応出来ず、不登校になってしまった。しかし、自分の得意なコーヒーの焙煎技術を活かし、両親の協力もあってコーヒー屋(豆の通信販売中心)を開業出来ました!という、成功例を伝えた話だったよな?と思ってたけど、大筋は合ってたけど、大きく思い違っていたことがあった。
それは両親の息子の障害を巡る試行錯誤。上記の成功に至るまでに学校との綿密なコミュニケーションや支援機関の積極的な活用をするも壁に当たってしまい、家族が切り開いたら道であったこと。
単にキラキラした成功話ではなく、現行の支援機関や学校を利用すれば何とかなるものではない事を思いしらされた。(否定する訳ではなく、もちろん利用した上で、指導を選択肢の一つとして)
やっぱり凹凸の凹を平らにするよりも、凸を伸ばす事に特化すべきだよなー。ホライゾンラボのコーヒー飲みたくなってきたな。